――興味深いです。違う個性を持った人が集まって、どんなコンセンサスを経て、何を目指すのか。『朝からロック』の第6章「ここに生まれて、暮らしているから〈日本人の僕の章〉」にもつながるテーマだなと。

「国って何だろう」ということですよね。「日本」というくくりでみんなの意識が統合されたのはいつだろう?とか、北海道はいつから日本になったのか?とか、戦国時代は日本中にいろんな国があったんだよなとか。生まれてくる時代が違えば、駿河の国の民でしたからね、僕は(笑)。そうやって考えていくなかで、「本当に自明のものなのか?」と問わないといけないんじゃないかなと。いろんな概念を打ち立てながら人類は歩んできましたけど、「これが当たり前」と信じてしまうのは怖いし、自分の在り方に何らかのボーダーが引かれたときに「本当にそうなのかな?」と疑問を持つのは大事だと思います。(後編につづく)

(取材/文・森 朋之)

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