落語家・春風亭一之輔さんが連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今回のお題は「メリークリスマス!」。
サンタの「いるいない」は、とてもセンシティブな話題だ。
ラジオの生放送なんかで「サンタってホントはね……」みたいなことを言い始めると、スタジオ内がピリッとする。めんどくさいクレームがいっぱいくるからやめてくれ! みたいな空気になる。
だから初めに言っておく。サンタさんは……いますっ!(STAP細胞と同様に)
私が子どもの頃は、漫画やドラマなどで「サンタクロース=親」説をにおわせる、もしくはそれが事実である……というエピソードがバンバン氾濫していた。それを見聞きしていると、「あーやっぱりサンタはいないんだ」「サンタはお父さん(お母さん)なんだ」なんてことを子どもたちが思ってしまうのは当然。刷り込みは恐ろしい。サンタがお父さんだと? 馬鹿なことを言うな。サンタがお父さんなわけなかろうが!
そういえば小学生の頃、「ママがサンタにキスをした」という歌を根拠に「ホレみろ! サンタはパパなんだー」という友達がいてなにも言い返せなかったことがあった。大人になった今なら言える。あれはジャクソン5のフェイクソング。もとい、あの歌詞に出てくるパパはサンタを生業にしてるのだ。だから仕事から帰宅したパパなのである。だからあの歌の主人公の子どものパパがサンタなのだ。サンタにも家庭があるのだ。