脚本・輿水泰弘ほか/ノベライズ・碇卯人『相棒season18』上巻(朝日新聞出版/装画:西山寛紀)
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「SNSでも反応してくださるファンの方がいらして、うれしかったです」

「相棒」の装画は、「イラストレーターをやる上でのひとつの目標だった」と話す松島さんに、歴代のイラストで、とくに印象深いものを挙げてもらうと――。

「『相棒season18』の西山寛紀さんの絵がすごいと思いました。西山さんの作風でありつつ、ちゃんと相棒らしさが表現されていて。小学4年生の娘は、watabokuさんの絵(『相棒season16』)がきれいで好きだそうです。並べて見ると、イラストレーターそれぞれの個性が出ていて面白いですよね」

脚本・輿水泰弘ほか/ノベライズ・碇卯人『相棒season16』上巻(朝日新聞出版/装画:wataboku)
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 大学の建築学科を卒業した松島さんは、一時期イラスト教室に通っていたものの、絵に関してはほぼ独学で学んだという。今では多くの装画などを手がける、人気イラストレーターだ。

 犯罪者ご用達ホテルを描いたミステリ『アミュレット・ホテル』(方丈貴恵著)や、アメリカでは現在25巻まで刊行されているという「ワニ町」シリーズ(ジャナ・デリオン著、島村浩子訳)なども、松島さんの仕事である。

 そんな松島さんに、改めて、「相棒」の魅力を尋ねてみたところ――。

「杉下右京というキャラクターはもちろん秀逸ですが、右京がとりこぼす人情を受け止める亀山薫との組み合わせが本当に良くて、シーズン7での卒業は、亀山がいないのに相棒なんて……と当時はとてもショックでした。でも神戸尊が新相棒になってからの杉下右京との関係も面白くて、その後の甲斐享、冠城亘もそれぞれ違う魅力があり、こうした相棒の変遷もシリーズが続いている理由のひとつなのかなと思います。いつか、歴代相棒全員が揃うところが見たいです!

 また伊丹をはじめとする捜査一課メンバー、角田課長、米沢守、内村刑事部長に中園参事官とずっと特命係に接している脇キャラクター全員が好きです。それぞれにエピソードがあって愛着があります」

 ノベライズの魅力を装画で表現するイラストレーターたちは、この物語にとっての、もうひとりの「相棒」と言えそうだ。カバーイラストもじっくり味わっていただきだい。

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