しかし、その場合、心配なのは、自民党の顔が岸田氏から、国民人気の高い、石破茂小泉進次郎河野太郎各氏のいずれかに変わった時にどうなるかだ。来年秋の総裁選では、そうなる可能性が高いし、その前に岸田おろしで、総裁選前倒しという場合も同様の心配がある。

 国民の見識が問われることになるのだ。

 先週の本コラムでは、安倍派の有力議員数人が訴追されたところで、国民が溜飲を下げて、本格的な政治改革がなされないまま、自民党政治が続く恐れがあるという懸念を表明したが、もう一つ、ポスト岸田の顔で騙されるリスクもまた警戒することが必要だ。

 国民は、今回の不祥事の根本原因が利権のための政治を行う自民党にあるということを深く認識し、その自民党の政権である限り、誰が首相になっても本質を変えることはできないだろうということを決して忘れないようにしなければならない。

 その期間は、最長でも再来年の秋。衆議院の選挙が行われる時までだ。国民の「執念深さ」が民主主義を守るということを肝に銘じておきたい。

 そして、いつ選挙が行われたとしても、選挙に行かない限り、何も変わらないこと、みんなが行けば変わる可能性は十分あること。その信念も併せて心に刻んでおこう。

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