皇后雅子さまが、和服をお召しになる機会が増えてきた。それは「令和流」の皇室が本格始動を始めた証でもあり、さらに体調に波がありつつも、雅子さまが快復に向かっている兆しとも言えそうだ。
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秋明菊や小菊が咲く、薄黄色の訪問着に、金箔(きんぱく)と菊の意匠の帯が艶やかだ。
11月17日、天皇陛下と和服姿の雅子さまは、来日したキルギスの大統領夫妻と皇居・宮殿で会見し、4年ぶりとなる昼食会を「連翠北(れんすいきた)」の食堂で開いた。
「令和流」と注目を集めたのが、両陛下の提案による「和」の接遇だ。
これまで外国の賓客を招いた宮中の料理といえば、フランス料理が主流だった。しかし、このときは前菜に手まりずしなど、旬の食材を用いた和食が提供されたのだ。
さらに同月28日のベトナム国家主席夫妻との昼食会では、冒頭に日本酒で乾杯し、押しずしも振る舞われた。
雅子さまは12月9日、還暦を迎えた。雅子さまの体調について医師団は「ご体調には波がある」と慎重な見解を守りつつも、「御快復の途上にあり」とした。
体調が快復の傾向にあるのはこの1年、国内外での大型公務に出席していることからも見て取れる。
そしてもうひとつの変化は、雅子さまが和服を着る機会が増えたことだ。
着物の着付けでは、肩から胸、腰の部分をガーゼや綿などで補うことがある。そうすることで、なだらかな美しい曲線の和装となるが、着慣れない人や体調によっては負担がかかる。長期療養が続いた雅子さまは、和服を着ることが難しいときがあった。
昭和の時代から皇室に着物をつくり、納めてきた「染の聚楽」代表の高橋泰三さんは、こう話す。
「一方で、令和に入り今年春の園遊会を始め、公務で着物をお召しの機会も増えておられる。喜ばしいことですし、それだけ体力もおありだと見ることもできるでしょう」