野手で最も注目されるのがポランコ(ロッテ)の去就だ。昨年は巨人でプレーして24本塁打を放つと、ロッテに移籍した今シーズンはさらに成績を伸ばして26本塁打、75打点をマークし、パ・リーグのホームラン王にも輝いている。打率は2年とも2割5分以下と確実性には乏しいものの、その長打力は大きな魅力だ。ロッテも長打力不足に悩むチーム事情もあって交渉を続けていると見られ、残留が濃厚という報道もあるが、新外国人選手の獲得が思うように進んでいない球団がポランコに接触していることも十分に考えられる。ロッテとしては早期決着を目指したいところだろう。
野手でNPBでの実績という意味でナンバーワンと言えるのがソト(DeNA)だ。2018年に来日していきなり2年連続ホームラン王を獲得。その後は怪我などもあって成績は年々下降しているが、6年間で通算161本塁打を放っている。DeNAも残留交渉を続けているという報道があるが、今シーズンの成績を考えると好条件での契約は考えづらく、そうなると他のチームを探す可能性も出てくる。また守備の負担を考えると、指名打者のあるパ・リーグの方が活躍の余地があるのではないかという声も多い。新外国人選手の野手を獲得している球団は少ないだけに、水面下で獲得を狙っているチームがあってもおかしくはないだろう。他の野手ではブリンソン(巨人)、マクブルーム、デビッドソン(ともに広島)などもそれなりの成績を残していただけに、調査する球団が出てくる可能性もありそうだ。
冒頭でも触れたが、以前に比べてNPBでの実績というのがより高く評価されるようになってきていることは間違いない。今回名前を挙げた中からも、今年のポランコのように他球団でブレイクする選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。