向こうは「やってあげた」という感じで、まるでフィットネスみたいだった。俺も試合が終わってそういうバーに行ってはいたけど、なんていうか、やっぱり楽しかったね(笑)。
アメリカだと地元のトップのヒーロー役がやっぱり一番モテていた。マサ齋藤さんとザ・グレート・カブキさんも悪役のトップだからモテたし、バーに行くと「マサとサトだ!」ってドッと人が集まってくる。
強くて稼げる奴がモテるという分かりやすい図式だ。だから俺も二人のケツに着いていって、いろいろおこぼれにあずかったもんだよ。
もともと俺は洋画が好きでアメリカ人の女性に憧れがあったから、みんな美人に見えるんだけど、ほかのレスラーからは「天龍、お前はよくあんなカバみたいな女を相手にするよな。物好きだな」ってバカにされていたよ。俺からしたらいい女なんだけどなぁ(笑)。
慣れてくると、フィットネスが目的のおネエちゃんと、ただプロレスを見に来たいいところのお嬢さんの見分けがつくようになって、今度はいいとこのお嬢さんにアタックするようになる。
ちゃんとしたマナーと格が必要になって、レスラーもしっかりするようになるんだ。よくリック・フレアーに言われたのが「ハイクラスと付き合ってこそステータスだ」ということ。やっぱりフレアーくらいモテるようになると、言うことも違ってくるね。