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北の富士さんと龍虎さんもモテ男
ほかにモテていたといえば、北の富士さんと龍虎さんも有名だったよ。北の富士さんは銀座で身銭を切ってきれいな飲み方をしていて、それがカッコよかったんだ。当時はスポンサーにゴチになるのが当たり前だったからね。
それも、新橋や柳橋、向島なんかで芸者をあげたお座敷にかかるというのが定番だ。そんな中で北の富士さんは、銀座で自分の金で飲んでいるんだ。相撲協会の中で銀座を開拓したのは北の富士さんが一番最初だよ。そういう姿を見た若い相撲取りたちが憧れた。その典型が輪島さんだ。彼も北の富士さんを真似て銀座でよく飲んでいたからね。
一方、龍虎さんは男前の顔でモテまくった。博多で大鵬さんが口説いていたおネエちゃんを龍虎さんが落としたってこともあったらしい。当時の大鵬さんは大横綱で、龍虎さんは全然下っ端だったということもあって、相撲界でものすごく評判になった話だ。相撲界は、誰がどのおネエちゃんとどうしたっていう話が2、3日で全ての相撲取りの耳に入ってくる世界だからね(笑)。
俺が相撲からプロレスに転向して一番戸惑ったのは、観客を見て「ガキしか来ないじゃん」って思ったこと。26歳でプロレスに転向したら、17、18歳の子どもがキャーキャー言ってるだけで、これには戸惑ったね。
アメリカのプロレスラーのモテっぷり
それで、アメリカ修行に行ったら、そこがすごいところだったんだ。アメリカの南部ではテレビで見たことがある有名人で地元に来てくれるのは、プロレスラーくらいだから、プロレスラーがモテるんだ。
プロレスラー目当てのおネエちゃんが大勢いて、レスラーが試合後に行くバーで待っている。レスラーが来たら「ハーイ」って言って近づいて、最終的にはアレするってことが常態化していたよ。