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 働きたくても働けない人がいる。働けるが働かない人もいる。配偶者の扶養家族として

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一定範囲内で働く人たちの、手取りが減る未来。AERA2023年12月11日号より。

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 配偶者の扶養に入っているパート主婦(主夫)は、「年収の壁」を意識しながら働く場合も多い。壁を越えなければ税金や社会保険(公的年金・健康保険・介護保険)の保険料を段階に応じ負担しなくて済むからだ。

 以前は、この壁が五つだった。それが今は七つに増え、ややこしいことになっている。(1)93万円、(2)100万円、(3)103万円、(4)106万円、(5)130万円、(6)150万円、(7)201万円という七つの壁だ。

新しい壁は106万円

 七つの壁を順番に見ていこう。「93万円の壁」は、自分が稼いだ収入に対して住民税の「均等割」という課税が発生する分岐点だ。住民税は「均等割」と「所得割」の2段構えになっており、前者は一定以上の所得がある自治体住民全員が均等に負担する税金。パート年収が93万円を超えると、この均等割がかかる。

佐藤麻衣子(さとう・まいこ 42)/信託銀行を経て2015年に社会保険労務士として独立。法人向け労務、企業型確定拠出年金の導入などを行う(写真:本人提供)

 社会保険労務士の佐藤麻衣子さんが、93万円の壁に関して正しい知識を教えてくれた。

「すべての自治体が、年収が93万円に達した時点で住民税の均等割を徴収するわけではありません。たとえば東京都の江戸川区は100万円が均等割の壁になっています」

 二つ目は「100万円の壁」だ。このラインを越えると住民税の「所得割」がかかる自治体が多い。前年の所得に応じ負担が変わる税金だ。三つ目は「103万円の壁」。所得税が発生する年収である。

 四つ目の「106万円の壁」は最近、出現したものだ。2022年10月から社会保険への強制加入対象が広がった(元は16年から徐々に拡大)が、その条件の中に「月額賃金8万8千円以上」があることで、106万円の壁と呼ばれる。8万8千円×12カ月=105万6千円≒106万円というわけだ。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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