全国のホテル・旅館・診療所などでサウナのトータルプロデュースをおこなっている笹野美紀恵さん。実家は、サウナ愛好家の間では“サウナの聖地”として知られる静岡の「サウナしきじ」だ。自身も生粋の“サウナー”であり、サウナへの深いこだわりをもつ笹野さん。サウナプロデュースを始めたきっかけや、「ウェルネス」を意識したサウナプロデュースに力を入れ始めた経緯、今後の目標などについて話を聞いた。
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“サウナしきじの娘”として、実家のサウナ施設のPR活動に加え、日本全国でのサウナのプロデュース活動、雑誌やテレビなどの取材で各地のサウナや温浴施設を日々、忙しく飛び回っている笹野さん。自身も「サウナはだいたい毎日1~2回、静岡の実家にいるときは、かならず朝晩2回はサウナに入ります」と話すほどの生粋のサウナーだ。
笹野さんがサウナのプロデュース活動を本格的に始めたのは3年前の2020年から。そのきっかけは、実家のサウナ施設の中だけでは、できることも限られてしまうためだという。
「サウナへのこだわりが高じて、実家のサウナ施設だけでは飽き足らず、自分でゼロからサウナをプロデュースしてみたくなったのがプロデュースを始めたきっかけです」(笹野さん)
笹野さんのこれまでの経歴は多彩だ。高校・大学とアメリカに単身留学。留学中からモデルとして活躍し、明治大学専門職大学院でMBAを取得。株式会社ONEBLOWを起業し、最初はおもに、海外で飲食店のフランチャイズを進めるときのディベロッパーへの交渉の仕事をしていたという。同時に、実家の「サウナしきじ」の広報としても活動し、静岡のローカルサウナをサウナ愛好家の聖地と言われるまでの存在へと導いた。
そうした経験も後押しし、独自の感性や視点を生かして、日本全国のホテルや旅館、キャンプ場などでサウナのプロデュースを始めたという。これまでに手掛けたのは、北海道・阿寒湖や京都府・比叡山など、全国の風光明媚な地の7施設。25年までに大分県別府市、富山県富山市などに新たに5施設が完成する予定だ。