「サウナで自律神経が整うとホルモンバランスも整うので、多くの女性たちを悩ますPMS(月経前症候群)にも効果を感じる人がいます。医師の協力のもと、さらに研究や検証を進めて、PMSなどの女性特有の不調に効果的なサウナをつくりたいと考えています」(笹野さん)

 PMSは、初潮を迎えた10代から閉経を迎える50歳前後までの女性を悩ます不調だ。多くは、月経の始まる3~10日ほど前からイライラや情緒不安、眠気、だるさ、むくみなどの症状に見舞われる。なかには、生理期間中の月経痛なども含めて、毎月、2~3週間にもわたって心身の不調に苦しむ人もいるという。

ロウリュに使う完全オーガニックの薬草とハーブ。薬剤師の監修のもと、オリジナル商品を開発中だという。

「サウナによってPMSなどの女性たちが抱える不調が少しでも改善されたらうれしいですね。国レベルでみても、PMS時期の女性の生産性低下による経済的損失は大きい。それらを取り戻せるかもしれません」(笹野さん)

 男性でも中高年を過ぎると更年期障害などの症状に悩むケースがある。男女を問わず、いわゆる病気の一歩手前の「未病」こそ、自律神経を整えるサウナが得意とする分野だという。

 笹野さんがプロデュースするサウナ施設はすべて、薬草やハーブによるセルフロウリュが可能だ。「サウナしきじ」と同じく、完全オーガニックの薬草やハーブにこだわる。これら薬草には漢方薬でも使われる生薬成分が含まれるため、サウナの効用とあわせて、さまざまな不調に対し、効果が期待できるという。

 この薬草の選別やブレンドにも薬剤師の監修を受け、エビデンスレベルで本格的な健康増進効果を狙う。有効成分を効率よく、皮膚から経皮吸収することができるようにと、笹野さんプロデュースのサウナ施設では、あらかじめ煎じておいた薬草やハーブをセルフロウリュできるのも特徴だ。

 いま熱心に取り組んでいるのは、ロウリュで使うこれら薬草やバスソルトのオリジナル商品の開発だという。

「サウナの健康増進効果をより高められるように、ロウリュ用の薬草やハーブのほか、酒粕と塩を使ったバスソルトなど、医師や薬剤師の先生方の協力も受けながら、目下、商品開発中です」(笹野さん)

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今後の目標は、外国客を日本の温泉に呼び込むためのサウナプロデュース