これまでのサウナプロデュースにおける苦労についても笹野さんに聞いてみた。プロデュースの依頼を受けると、そのデザインやレイアウトなどを設計士と意見交換しながら決めていくが、建物の構造によっては、導線的に思い通りにつくれないことがあり、そうしたときに悔しい思いをすることもあるという。

「建物の構造や予算的にも限られたなかでプロデュースしますので、利用者が居心地よく疲れないような導線にするには、できればこうしたいのに、いろいろ条件が難しいな、ということは多々あります。それでも、できるだけ妥協はしたくない。それぞれのケースで最善を尽くします」(笹野さん)

 今後の目標は、外国客を日本の温泉に呼び込むためのサウナプロデュースだという。

「日本各地の温泉とサウナを掛け合わせて、その地方の食や文化、そこでしかできないようなものを生かしつつ、インバウンドに向けた仕掛けをしたい。日本ならではの温泉の世界観をサウナと一緒に外国の方にもぜひ楽しんでほしいです」

(文・石川美香子)

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