中日・松山晋也(左)と巨人・小林誠司(右)(写真提供・中日ドラゴンズ/読売ジャイアンツ)
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 プロ野球もオフシーズンとなったが、これから話題となることが多いのが契約更改だ。活躍すれば年俸も大幅アップするが、逆に成績が落ちれば容赦なく年俸も下がるのがプロ野球の世界である。また今年の年俸は昨年までの実績に基づいているが、当然その金額とはかけ離れた成績になることも少なくない。そこで今シーズン、年俸に対して驚きの好成績を上げた“コスパの良かった選手”と、逆に高額年俸ながら期待を裏切ることになった“コスパの悪かった選手”を5人ずつランキング形式で紹介したいと思う。今回はセ・リーグ編だ(文中の金額は推定)。

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■コスパの良かった選手ベスト5

1位:村上頌樹(阪神・推定年俸750万円)
22試合10勝6敗0セーブ1ホールド 防御率1.75

2位:細川成也(中日・推定年俸990万円)
140試合131安打24本塁打78打点0盗塁 打率.253

3位:秋広優人(巨人・推定年俸630万円)
121試合111安打10本塁打41打点0盗塁 打率.273

4位:松山晋也(中日・推定年俸300万円→420万円)
36試合1勝1敗0セーブ17ホールド 防御率1.27
※シーズン途中に支配下契約され、それに伴い年俸も増額

5位:門脇誠(巨人・推定年俸840万円)
126試合83安打3本塁打21打点11盗塁 打率.263

 まずコスパの良かった選手のトップは村上頌樹(阪神)で異論はないだろう。過去2年間では一軍登板わずか2試合にとどまっていたが、今年は開幕から31イニング連続無失点と快投を続け、チームのリーグ優勝、日本一に大きく貢献。最優秀防御率、MVP、新人王にも輝いた。岡田彰布監督も村上について「えらい人生変わってしもうたな」と発言しているが、まさにその通りの活躍だったと言えそうだ。

 野手で驚きの飛躍を遂げた選手といえば細川成也(中日)が筆頭だ。DeNAでは毎年のように期待されながらなかなか一軍で結果を残せなかったが、現役ドラフトで中日に移籍すると、チームトップの24本塁打78打点の大活躍を見せた。ちなみにこれはセ・リーグの外野手ではいずれも1位の数字である。夏場以降に少し調子を落としたが、長打力不足のチームにあってその存在は貴重で、来年も中軸としてかかる期待は大きい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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