小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(30)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、J-POPを定期的にカバー演奏している廣津留さんに、その魅力について聞いてみた。
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Q. J-POPのカバーをテレビ番組でも演奏している廣津留さん。休日にもよく聞いているとか。J-POPを好きな理由や感じている魅力を教えてください。
A. やっぱり小さい頃からよく聴いていたからだと思います。それに、今はクラシックを聞くとどうしても仕事モードになってしまうので、リラックスするためにも休日はもっぱらJ-POPですね。aikoさんや椎名林檎さん、宇多田ヒカルさんなど、いろいろ聞いています。好きなアーティストの音楽を聞いているとモチベーションが上がるんですよね。なかでも、aikoさんは幼稚園のときの友達のお姉さんの影響でずっと聴いてきていて、耳になじんでいるというか。大好きです。バイオリンのレッスンに通うときも聴いていましたし、いろんな思い出と曲が一緒になっていますね。aikoさんの音楽は、絶妙な半音の使い方が印象的で、恋する気持ちを歌うストレートな歌詞や、悲しい歌詞に明るいメロディーがついたりするギャップなどオリジナルな魅力にあふれていると思います。好きな曲ですか? いやいや、全部好きすぎて選べません!(笑)
私はもともとクラシックだけでなく、ジャンルにこだわらずに音楽をやりたいと思っていたのですが、ハーバード在学中にヨーヨー・マさん率いる音楽グループ「シルクロード・アンサンブル」と共演し、その思いがますます強くなりました。ノンジャンルで自由に音楽を表現する彼らの姿がとても生き生きとしていたんです。そうした影響もあって、ニューヨークのジュリアード音楽院に進んでからは、学校やコンサートでクラシックを演奏する傍ら、仲間とアメリカのポップスやJ-POPなどジャンルにとらわれない曲のカバーをジャムセッションするようになりました。弦・管楽器に打楽器にキーボード奏者、またジャズ科の友人なども呼んで即興アレンジするのですが、かなり音楽脳が鍛えられますし、原曲の良さを再発見できるんです。