加えて新NISAでは、二つの投資枠を両方使える。その結果、年間投資額の上限は最大360万円になる。
投資の自由度も増しそうだ。例えば二つの投資枠の併用ができるようになることで、成長投資枠を使って積み立て投資を行うこともできるのだ。
「両方の枠を目一杯使って、毎日や毎月といった具合に一定の間隔で一定額ずつ積み立てることもできます」(前出の板倉さん)
今までの一般NISAで5年、つみたてNISAで20年と限りがあった利用期間が無期限になることも大きい。生涯投資上限額は1800万円まで(このうち成長投資枠だけだと1200万円まで)と、青天井とはいかないものの、これまでよりもずっと有利になる。
「メリットを最大限受けるにはできるだけ長く利用したほうがいいでしょう。今は証券会社への申し込みも集中していると聞きます。やってみようと考えていて、申し込みがまだの人はなるべく早く申し込むとよいでしょう」(同)
一度作った口座は別の金融機関に変えられるの?
利用を考えた時に、まず気になったのは「一人につき一つの口座しか開設できない」というルールがある点だ。いったん口座をつくってしまったら、この先もずっと同じ金融機関を使い続ければならないのだろうか。板倉さんは言う。
「NISA口座の変更は1年ごとに可能です。ただし、変更する際にはタイミングに注意が必要です。NISA口座を変更できるのは、変更を希望する前の年の10月1日から、翌年の9月30日まで。24年にNISA口座の変更を希望するのであれば、23年10月1日から24年9月30日までに手続きを済ませる必要があります」