ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「今週のお務め」。24回目のテーマは「『宗教的』な生き方」について。
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創価学会の3代目会長(1979年以降は名誉会長)である池田大作氏が95歳で亡くなりました。創価学会は1930年に創立され、国内に800万世帯以上、国外にも280万人の会員を擁する仏教法華経系の宗教団体です。
今や政治から芸能・出版・教育に至るまで、様々な分野において発信力と影響力を持つ創価学会。私の周りにも「学会員」と呼ばれる信者は多く、いわゆる「新興宗教」とはまったく違う、非常に安定した存在という印象を持っています。
多くの人が神道と仏教の観念に基づいた生活を送りつつも、キリスト教の慣習や文化(結婚式、クリスマスなど)を積極的に取り入れる、そんな日本人にとっての宗教観・宗教概念というのは、世界的に見てもかなり独特です。しかし、そんな「ご都合主義的観念」こそが、日本が和洋折衷の発展を遂げられた理由のひとつでもあると言えます。
一方で、カルトな新興宗教による「社会的トラウマ」も少なくない日本では、ひとたび「宗教」という言葉や概念に直面すると、ことさら警戒心や懐疑心を抱きがちなのもまた事実。
昔から、「飲み屋で政治と宗教の話はタブー」なんて言われていますが、考えてみれば、それが「宗教」ではないだけで、「宗教的」なものは世の中にごまんと溢れています。