ヤクザ役もインパクト
芸能評論家の三杉武氏は竹野内についてこう述べる。
「竹野内さんといえばモデルから俳優に転身後、ドラマ『ビーチボーイズ』や映画『冷静と情熱のあいだ』など90年代~00年代前半を代表する人気俳優ですが、40代後半から再び、注目されるようになりました。一昨年放送のドラマ『イチケイのカラス』では50代にして“月9”主演も果たし、古巣の大手芸能事務所から独立後も変わらぬ活躍を見せています。若いころはワイルドさも併せ持つ端正な顔立ちや、渋みのある低音の美声などからクールな印象を持つ視聴者も多かったと思いますが、近年ではコメディー作品やタクシーアプリのCMなどで、ギャップのあるキャラも演じて好評を博しています。一方で、映画『孤狼の血』でのヤクザの若頭役もインパクトがありました。いわゆる大物俳優の中でも二枚目から三枚目まで幅広い役柄を演じられ、主役だけでなく、脇役でも存在感を放つという点で貴重な存在と言えるでしょう」
50代にして“次”の高みを目指そうとする竹野内のストイックな演技は、これからも多くの人を魅了するだろう。
(高梨歩)