「いりこ」か「煮干し」かを調べた地図=ゼンリン提供

「ちくわぶを食べない地域があることに衝撃を受けました」

 そう話すゼンリンの担当者は、埼玉県出身。

「おでんには必ず入っていました。特に2日目がおいしいんですよ。味が染みて」

 と、ちくわぶへの思い入れを語った。

 記者の出身は群馬県。おでんに入ったちくわぶを食べた記憶はなく、ちくわぶはちくわの方言だと思っていた。そんな話を神奈川県出身の妻にすると、

「ちくわぶのないおでんなんて考えられない」

 と、憐れみの視線を向けられた。

「ちくわぶが、おでんの具のなかで一番好き」と言う妻も、

「2日目がおいしいんだよ」

 と、どこかで聞いたセリフ。

「ちくわぶ県」の人たちは相当、ちくわぶ愛が強いようだ。
 

浮かび上がる「思い込み」

 ゼンリンは数年前から、「地域差」を可視化していく企画を続けている。

 初めての企画は、「みたらし団子の団子の数」。串に何個の団子が刺さっているかを調べたものだ。
 

みたらし団子の団子の数を調べた地図=ゼンリン提供

 結果を見ると、関東甲信越地方は4つという地域が多いが、北陸の富山県は3つで、石川県は2つしかない。近畿地方になると増え、愛知県や岐阜県、福井県、京都府は5つ。そして西日本では、3つまたは4つの地域が混在していた。 

 記者のイメージでは4つ。北陸地方の人は「2つでは物足りないのでは」と思いつつ、「団子の大きさも、地域で違うのかもしれない」と、いままで気づかなかった自分の「決めつけ」「思い込み」が浮かび上がって面白い。
 

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小学校の修学旅行で、どこに行った?