ゼンリンが作成した「ちくわぶ」の地図=同社提供
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 おでんに入れる「ちくわぶ」は、関東ローカルの食べ物――。そんな現実を浮かび上がらせた地図が、関東出身者らをザワつかせた。地図大手のゼンリン(北九州市)が10月、X(旧ツイッター)で募った回答をもとに地図を作成し、投稿したのだ。同社はこれまでにも「小学校で出た牛乳の銘柄は」「みたらし団子の串に刺さった団子の数は」といった「地域差」を可視化する地図を作っている。その狙いとは。

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「ちくわぶ」の調査のきっかけは「おでんにちくわぶって全国共通じゃないんですか」という食品メーカーの紀文食品のツイートだった。

 これにゼンリンのアカウントが反応。

「『ちくわぶ』をおでんに入れて食べる地域のかたリプにておしえてください!境界を調べたいと思います🍥」

 と投稿し、調査を開始した。

「東京です、ちくわぶ入れます。」

「入れません!(沖縄出身)」

「『ちくわ』じゃないんですか?(下関生まれ昨年まで広島市民)」

 コメントとともに続々と回答が集まっていった。

 その数、1300以上。担当者らが地図上に落とし込み、どの地域でちくわぶが食べられているか可視化していった。

 完成した「ちくわぶ地図」を見ると、おでんにちくわぶを入れるのはほぼ関東地方に限られ、特に南関東(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)が「80%以上」と多いことが明らかになった。

 地図を公開すると、1万4千以上の「いいね」がつき、「ちくわぶ無かったらおでんじゃ無い@横浜 子供の時ちくわはちくわぶの偽物だと思ってた」「めちゃくちゃマイナーやん・・」「ちくわぶは大人になるまで存在を知りませんでした」(全て原文ママ)などとさ、まざまな反応が並んだ。

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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