「SMILE-UP.」の社長を務める東山紀之氏

妻子に宛てられた遺書の中身

 残された遺族の心境は察するに余りある。生前の男性の人柄について知人はこう話す。

「彼は若いころに金銭面で苦労もしてきましたが、真面目で気さくな人でした。男性は未成年の時、ジャニー氏に受けた性加害のトラウマと誹謗中傷で、苦悩していました」

 亡くなる数日前も、普段と特には変わった様子はなかったという。

「彼は『当事者の会』に入る前から、独自で旧ジャニーズ事務所に連絡をしていた。ところが、旧ジャニーズ事務所は、彼の訴えを放置していたんです」(事情を知る関係者)

 性被害を告発をした人の中には、SMILE-UP.側から連絡がきた被害者もいる。なぜ、男性の訴えは放置されたのか。補償の申告をした被害者の一人はこう話す。

「SMILE-UP.の窓口は元判事の弁護士3人で切り盛りしているので、確認作業などが追い付かないのだと思います。もっと人数を増やせばいいのに、それをしないのだから、やはり被害者を軽んじているんですよ。対応にバラツキがあるのは、人を見て、連絡をしたりしなかったりを判断しているからだと思います」

 遺族の代理人弁護士によると、男性はやはり性被害、及びそれを告発したことに関して深い悩みを抱えていたようだという。

「遺書は妻と子どもに宛てられていて、家族の生活を心配することの他に、『性被害の記憶が蘇って、平常心を保てなくなってきている』という内容が書いてありました。そこが(自殺の動機の)中心だろうと推察しています」

 葬儀はすでに終わっているが、SMILE-UP.側からは、「先方の弁護士を通してお悔やみのメールがきた」(代理人)だけだという。

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