元朝日新聞記者 稲垣えみ子

 元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

【写真】稲垣さんが食べた近所の喫茶店のオムライス

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 人生にはいわゆるバイオリズムがあるのは本当だと思う。良いことも悪いこともなぜか立て続けに起きる。

 ここ1週間の間に衝撃的な出来事が相次いだ。

 毎日のように通っていた近所のカフェと八百屋さん。我が生活における「ツートップ」である。ある日いつものように入店すると、顔見知りの店員さんが「あの実は……」と神妙な顔で何かを言わんとするので、え、異動? 退職? と身構えたら、お店を閉めることになりましてと。

 えええええええっ!!

 そそそそんなことが!!

 ということが立て続けに2度繰り返されたのだ。

 この二つの店は我が家の一部と言っていい存在であった。

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稲垣えみ子

稲垣えみ子

稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行

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