他球団流出は、西武にとって大きな痛手だ

 来季は西武に残留するのでは――そう予測する声が多かっただけに、もしFA権を行使して移籍となれば驚きだが、山川が野球人として下す決断だ。西武ファンの反応はどうだろうか。SNS上を見ると、「残ってもFA移籍してもどちらでもいいかな。前みたいに応援できるかというと難しい」、「山川が出ていくと戦力ダウンって言うけど、本当にそうかな。今年の戦いを見ればわかるけど、若手が出てきているし悲観するほどでもない。山川が残っても強くなるかというと違う」などの指摘が。

 西武は涌井秀章(中日)、岸孝之(楽天)、浅村栄斗(楽天)、秋山翔吾(広島)、森友哉(オリックス)と看板選手たちがFAで国内外の球団に移籍した歴史がある。FA移籍した選手は12球団最多の20人。ただ、主力が抜けてもその穴を埋める若手の育成能力に定評がある。今季は森が抜けた正捕手争いで古賀悠斗が急成長した。100試合出場で盗塁阻止率.412はリーグトップ。投手の持ち味を最大限に引き出す配球面も評価が高く、侍ジャパン・井端弘和監督の初陣で11月中旬に開催される「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」のメンバーにも選出された。仮に山川が抜けた場合、その穴を埋めるのは容易ではないが、渡部健人、山村崇嘉、長谷川信哉ら一皮むければ大化けする可能性を秘めた若手たちが控えている。

 西武を応援して40年以上の男性(48)は、「主力が抜けても慣れているでしょと聞かれますが、そんなことはない。ショックですよ。でも最近は源田壮亮、外崎修汰が長期契約で残留してくれたりチームの核になる選手が残っている。山川が他球団に移籍しても、西武は誠意を尽くしたと割り切れる」と語る。

 自身の今後の野球人生を見つめ直し、西武に残留した場合、他球団に移籍することなど様々なことに思いを張り巡らすだろう。悩み抜いた末に、山川が下す決断は――。

(今川秀悟)

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