その名の通り、がんについての相談を受け、支援してくれる機関です。全国の「がん診療連携拠点病院」や「地域がん診療病院」など、がんの診療をおこなう病院に設置されています。いちばんのポイントは、「誰でも、いつでも、無料で相談できること」と若尾医師は話します。

「その病院にかかっていない人や患者さんの家族など、誰でも相談でき、相談料はかかりません。電話で相談することもでき、匿名での相談も可能です。相談内容が主治医などに本人の同意なく知られることはないので、安心して相談できるでしょう」

 同センターでは、がんの知識をもつ看護師や医療ソーシャルワーカーなど、国立がん研究センターで研修を受けたスタッフが相談にのります。がんと診断されたときはもちろん、がんと診断される前の「がんかもしれない」と不安を感じているときから、治療中、治療後の療養生活、社会復帰後まで、いつでも相談することができます。

 相談内容は、がんという病気や治療のことはもちろん、生活、お金、仕事、家族や育児のことなど、どのようなことでも相談が可能です。以下に、相談内容の一例を示します。

●病気と治療について

 ・自分のがんはどういう病気なのか

 ・どのような治療法があるのか

 ・セカンドオピニオンを受けたい

 ・副作用が心配

 ・緩和ケアについて知りたい

●生活や仕事について

 ・生活で注意すべきことは?

 ・治療費はどのぐらいかかるのか

 ・なるべく自宅で暮らしたい

 ・仕事を続けながら治療ができるか

 ・職場へがんについてどう伝えるか

●利用できる制度やサービスについて

 ・治療費や生活費の助成・支援制度を知りたい

 ・介護や福祉サービスについて

●家族について

 ・子どもの世話や親の介護はどうすればいいのか

 ・子どもに病気のことをどう伝えたらいいか

 ・家族に心配をかけたくない

 ・がんと診断された家族にどう接すればいいのか

●医師との関係について

 ・医師の話が難しくて理解できない

 ・医師に伝えたいことが言いにくい

 ・医師と相性がよくない気がする

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気持ちについても相談できる