感覚的な部分が大きいから言葉にするのが難しいんですけど、いい作品にするためには、その世界観にちゃんとなじめているかどうかがすごく大切だと思っています。今は、共演する方のお芝居だったり、上がってきた作品を見たりして、紅葉という人物がその世界にどうなじんでいくのか、少しずつ調整しています。
そうしているうちに、ちょっとずつ紅葉という人物の輪郭が見えてきたような気がします。「二人組」というものへの苦手意識を持った四人が集まって、互いにその過去をくみ取りながら向き合っていく。四人のぎこちなさや間が次第に変化していくなかで、僕自身も紅葉が何を考えて、どう振る舞うことが自然なのか、少しずつ理解できるようになってきました。
(構成/編集部・福井しほ)
※AERA 2023年11月6日号より抜粋