幸せになるチャンス
さて、新規に動物の受け入れはしない、と思っていた私ですが、先月、夜に犬の散歩をしていたら、どこからか子猫の鳴き声が聞こえてきたんです。
うちの周りは、猫の避妊、去勢手術をしたので、5年くらいは子猫が生まれていません。近所の人に聞いたら、3日前から鳴き声がしているのというので、「あ、捨てられたんだな」と思いました。捕獲機を仕掛けたら、生後4カ月くらいの人に馴れた三毛猫が捕まりました。
他のエリアにも生後一カ月位の子猫がいて、その一週間後にもネズミ捕りで体がべたべたの猫が……。保護した2匹目と3匹目の猫の顔が似ていてすぐに仲良くなったので、同じ人が場所を変えて捨てた可能性もあるかもしれません。
……動物たちをめぐる問題はまだまだ山積みですが、それでも少しは世の中で変わったこともあるかな、と感じています。
私が2015年に「もも」を迎えた時は、まだ保護犬や保護猫という言葉がそれほど浸透していませんでした。でも、テレビ番組の影響などもあり、(保護犬や保護猫という)言葉と存在が、ここ最近、広く世に知れ渡ってきました。ペットショップで求めるのではなく、保護猫サイト等を見てお見合いをして引き取る選択をする人が増えたのは、よいことだなと感じています。
そして、この活動を通してつくづく感じたことがあります。里親になってくださった方がよく、「うちで猫を1匹だけ引き取っても、不幸な猫は減らないのかな、現状は変わらないかな」とおっしゃる。けれど、そんなことはないんです。その子が新たな家にいくことで一つの席が空くように、(拾われたり保健所から引きだされたりした)「次の子」が、幸せになるチャンスを掴むのですから……。1匹を引き取るということは、大きな意味のあることなのです。
実は昨日、うちにいたおばあちゃん猫を看取りました。団体は解散したけれど、私も今後、今うちにいる子たちとしっかり向き合い、お世話を最後までしていきます。
そして、もしかしたら今まで譲渡した子が里親さんの事情で飼えなくなったりしたら、引き取ることもあるかもしれないし、近所で子猫の声がしたら、「はっ」と思って、アスリートで培った足腰でダッシュしてしまうかもしれません。
これからも自分にできる範囲で、情熱の灯を、大好きな動物たちに注ぎ続けたい。心からそう思っています。