譲渡につながりにくい病気や高齢の子がどうしても残りますし、仕事をしつつなので思うようにいかなかったり、お世話にも時間がかかります。今春、ブリーダー崩壊した100匹の甲斐犬と柴犬の新しい飼い主を探すお手伝いをした後に、団体の解散を決めました。つまり、新規の動物の受け入れは基本的にしないと決めたんです。
「自分のうち」を見つけることが喜び
自分には体力もあったし、今まで多くの方に支えられてきました。里親になってくれた方や、乗馬クラブで一緒に働いていた人などが動物のお世話に来てくれたりして、ありがたかったですね。
何よりよかったと思うのは、動物たちが「自分のうち」を見つけて、幸せになるのをこの目で見られたこと、その手助けができたことです。
病気や障害があったり、人馴れしていないともらわれにくいといいましたが、「難しい」と思う子もたくさん縁がつながりました。
たとえば、馬小屋で生まれた子猫「ピリカ」は、事故で両方の後ろ足がマヒしていたのですが、猫の預かりボランティアしていた看護師さんが、正式に飼い猫にしてくれました。今はピリカと一緒に譲渡した猫たちとと3匹で楽しく暮らしています。
多頭飼育崩壊現場からレスキューした猫「ちまき」は、私もあまり見たことのない狂暴なキャラで、他の猫を流血させるほど引っ掻いて毛をむしり、喧嘩ばかりしていました。しかし、「ぜひ、ちまきちゃんを」と希望してくださった仏様のような(笑)里親さんが現れて、今は1匹飼いで大切にされて幸せに暮らしています。みんな、見えない赤い糸で里親さんたちと結ばれているようです。