撮影 Dokachin

『ダンシング・オールナイト』(1980年)、『ギャランドゥ』(1983年)などのヒット曲としゃがれたハイトーンボイス、強烈な個性で一世を風靡したもんたよしのりさん。10月18日に72歳で急逝したという報をうけ、出身地・神戸の街には惜しむ声があふれている。

【写真】いまから何年前?港町YOKOさんとのツーショットはこちら

「最近のもんたさんは健康そのもの。8月29日に神戸チキン・ジョージでライブした時も最高のパフォーマンスで、まさかあれが最後になるなんて思いもしませんでした」

 と驚くのは長年彼を撮影していた写真家のDokachinさん。破天荒なイメージがあるが、近年は酒、煙草はやらず、ヨガに熱中するなど健康的な生活を送っていたそうだ。

 もんた&ブラザーズの『KOBE』(1982年)という曲や、阪神・淡路大震災の際に自ら救援物資を配ってまわり、チャリティーライブも盛んに開催したエピソードからわかる通り、自らを育んだ故郷への愛着は人一倍強かったもんたさん。自宅の大阪府箕面市から頻繁に神戸に足を運び、多くの人と分け隔てなく交流した。

 筆者の妻で歌手、DJの港町YOKOも思い出を打ち明ける。

「当時結成していたアマチュアバンドで音楽スタジオに行くと、出てきた先客がまさかのもんたさん。思わず『もんたさんや!』と近寄ると、ニコニコと会話に応じ、記念撮影もしてくれました」

提供 港町YOKO

 公私ともに交流のあった会社員、信濃将富さんも”衝撃的な”もんたさんとの出会いを次のように振り返る。

「12年前、ライブイベントの打ち上げでご挨拶する機会に恵まれました。報徳学園高等学校の後輩だと伝えると打ち解け『これから一緒に遊ぼうや!』と」

著者プロフィールを見る
中将タカノリ

中将タカノリ

シンガーソングライター・音楽評論家。2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。昭和歌謡、アメリカンポップスをフィーチャーした音楽性が注目され、楽曲提供も多数手がける。代表曲に「雨にうたれて」など。2012年からは音楽評論家としても活動。数々のメディアに寄稿、出演し、近年の昭和歌謡ブーム、平成J-POPブームに寄与している。2023年5月10日にキングレコードから橋本菜津美とのデュエットシングル「夜間飛行~星に抱かれて~」リリース。

中将タカノリの記事一覧はこちら
次のページ
リップサービスだと思ったら…