就任1年目の2022年5月23日、当時の中村一軍打撃コーチと波留敏夫二軍打撃コーチの配置転換が発表された。春季キャンプ時から指示に従わない形で指導を行う中村コーチに対し、立浪監督が業を煮やした結果だと言われる。
「その後2人の間にわだかまりはなかったと思う。お互いプロ同士なので気持ちは理解し合えていたのだろう。中村コーチが二軍でしっかり指導していたのを誰もが知っている。実際、今季は新しい若手野手も一軍へ出てきた。退団は残念だが指導を受けた選手は結果を出して中村コーチへのお礼にするしかない」(中日関係者)
二軍で指導した長距離打者タイプの石川昂弥は主軸を任される試合が増え、鵜飼航丞も可能性を感じさせるようになった。中村コーチの打撃指導により、若手が育ってきたのは間違いないだろう。
「チームは低迷が続くので立浪監督への逆風が強い。中村コーチとの関係性も大袈裟に報道されてしまった部分はある。チーム内に悪循環が続いてしまっている」(中日担当記者)
指導者としては志半ばで現場を離れることになったが、今後はNPBの他チームでコーチとして声がかかることはあるのだろうか……。
「打撃理論に対しての評価は高く、野球への情熱もある。相性が良い監督の元ならコーチとして最大限の能力を発揮できるはず。今後、招聘を考える球団は事前に監督との面談を多くするなど工夫が必要。またコーチ職は現役選手と異なり一匹狼ではできないだけに、中村コーチも考えるべき部分もあるのだろう」(中日OB)
選手のみでなくコーチも個性的な人材が多くいた方が野球界全体が盛り上がるのは違いない。またいつの日か“中村コーチ”には現場に戻ってきて欲しい。