原辰徳前監督が退任し、阿部慎之助新監督の下で新たなスタートを切った巨人。現有戦力の底上げと共に、注目されるのは今オフの補強策だ。
一番の懸案事項は「救援陣の強化」になるだろう。救援陣の防御率3.81はリーグワースト。守護神の大勢が故障7月から2か月以上戦列を離れるなどシーズンを通して稼働できず、27試合登板で3勝14セーブ1ホールド、防御率4.50。セットアッパーにも苦心した。菊地大稀、船迫大雅ら若手が台頭したが層の薄さは解消できず。今オフは球界を代表するリリーバーたちがFA権を取得した。権利を行使した場合、巨人が獲得に乗り出す可能性は十分にあるだろう。
その筆頭候補が楽天の松井裕樹だ。今季自己最多の39セーブを挙げ、2年連続3度目となる最多セーブ投手のタイトルを獲得した。抜群の制球力があるわけではないが、四球で崩れることはない。快速球にフォーク、スライダーを駆使して三振奪取能力が高い。プロ10年間で501試合登板という数字が証明しているように、大きな故障がなく毎年投げ続けている体の強さも魅力だ。通算236セーブ左腕はメジャーの球団からも熱視線を送られており、複数球団の争奪戦になることは必至だ。
ソフトバンクのロベルト・オスナも有力候補になる。メジャーでセーブ王に輝いた実績を持つ右腕は昨年のシーズン途中にロッテに加入し、今季はソフトバンクでプレー。抑えを務め、2年連続で防御率0点台と驚異的な安定感を誇る。メジャー復帰の可能性がささやかれているが、日本国内の他球団へ移籍の選択肢も考えられる。推定年俸が6億5000万円であることを考えると、獲得に乗り出す球団は限られる。巨人は坂本勇人が推定年俸6億円でチームトップ。