サッカー日本代表“森保ジャパン”は10月17日、ノエビアスタジアム神戸で行われたチュニジア戦に2-0で勝利し、国際Aマッチ6連勝を飾った。絶好調を維持したまま11月から始まるW杯アジア2次予選に臨むことになるが、気になるのは「1トップのレギュラーは誰?」ということだ。
この6試合の成績は、6月のエルサルバドル(○6-0)、ペルー(○4-1)、9月のドイツ(○4-1)、トルコ(○4-2)、そして10月のカナダ(○4-1)、チュニジア(○2-0)だった。その中で最前線の1トップでスタメン出場したのは、古橋亨梧が3試合(ペルー、トルコ、チュニジア)、上田綺世が2試合(エルサルバドル、ドイツ)、浅野拓磨が1試合(カナダ)。だが、彼らが流れの中で決めたゴールは2得点(古橋と上田が1得点ずつ)のみ。6試合で計24得点の中での2得点(上田がPKで1得点)というのは、やはり“少ない”と言えるだろう。
日本代表の強みが中盤の2列目にあることは今も昔も変わらない。特に現在の森保ジャパンには、伊東純也、三笘薫、久保建英、堂安律、鎌田大地、中村敬斗と、欧州リーグで活躍中の優れたタレントが揃っている。当然、そこを“強み”とする戦い方になるが、FIFAランクトップ10に入る強豪国と比べると、やはりセンターフォワード(CF)の力が見劣りする。5人交代制の中でパートタイム的に起用するやり方も悪くはないが、1試合を通じて常に相手に脅威を与え続け、劣勢の中でも一発で試合の流れを変えることができる「絶対的ストライカー」は、森保ジャパンが“まだ見ぬ景色”を目指すならば、必要だ。
浅野のカナダ戦の出来は抜群だった。前線からのプレッシングだけでなく、スピードを生かして何度もスペースに流れてボールを受け、チームの矢印を前方向に向け続けた。だが、以前からシュート技術に問題を抱えており、W杯のドイツ戦でこそ価値あるゴールを決めたが、トータルでの得点率は低い。古橋はチュニジア戦で久々の代表ゴールを決めて結果を残した。だが、試合の中で消える時間が多い。シュート技術の高さとゴール前での落ち着きは光るが、サイズ的な問題もあって、最前線で体を張ってボールをキープするタイプではなく、現在の2列目の面々とプレーが噛み合っているかと言われれば、「否」だ。