主人は「猫は人を近づけず気ままでツンとしてると想像していたけど、違った!」と驚いていました。さらに主人を驚かせたのは、「空海」が犬っぽい行動をしたことです。お気に入りのおもちゃや、ビニールを丸めたものを投げると、くわえて持ってくるのです。
しかも、「空海」は私が帰宅しても知らん顔なのに、主人が帰ると喜んで玄関まで迎えに行く。私が抱く時と、主人が抱く時の顔つきも違うのです。主人の時はうっとり顔……。もう主人はメロメロ、2週間後に正式に「空海」を家の子に迎えたというわけなのです。
次の猫を迎えたら「空海」に異変
「空海」を迎えた後、私自身の経験から、「2匹、3匹といると猫同士で遊ぶし楽しいよ」と主人に話していました。すると、空海を譲ってもらった保護団体から、一年後に、「もう一匹、猫いかがですか?」と声をかけていただき、主人と見にいきました。
何匹か子猫がいる中で、私が一目ぼれしたのが、しっぽの短い真っ黒な「最澄」。おどおどして“ザ・猫”という感じでしたが、主人が「空海」を通して猫を好きになってくれたので、次はこんな“猫っぽい猫”を迎えてもいいかなと。夫も「どの子でもいいよ!」というので、トライアルを申し込みました。
保護主さんからは、「最澄」は「シャーシャーで人馴れしてない」と聞いていたのですが、夜鳴きしている時にケージ越しに撫でたら、喉をゴロゴロ鳴らしました。胸がキュンとしましたね。
ところが「最澄」を迎えて10日後くらいに、「空海」の声がかれてしまったんです。
「最澄」はまだケージで過ごしていたのですが、(近くで)口を開けて鳴こうとする「空海」の声がほとんど出ません。獣医さんに診てもらうと、「ストレスで声がかれる子もいる」といわれました。喉の炎症のために抗生物質等をもらって様子をみたのですが、なかなか声が元に戻りません。
「空海」を大切にしたかったので、この状態が1カ月以上続くようなら、団体に戻そうかと主人と話しました。そう話したとたん、声がれがよくなってきたんです。そして、トライアルから約1カ月後に、「最澄」を正式に家に迎えました。
「最澄」は猫が好きで、ケージから出すと「空海」について回っていました。はじめはそんな「最澄」をうるさがった「空海」ですが、だんだんと受け入れていった感じです。
想定外だったのは、「最澄」の主人への態度でした。