鴻上尚史さん(撮影/写真映像部・上田泰世)

二人の恋愛観は両極端⁉

――お二人には、恋愛の失敗談はありますか?

鈴木:私、若いころは彼氏ができるたびに、こんなに好きになる人は一生現れないって思ってたんですよ。

鴻上:なるほど(笑)。

鈴木:それで、腰に、当時の彼氏の名前のタトゥーを入れました。イニシャルでKJ。でも3カ月くらいで別れたんですよね。しかも名前は偽名だったんです。

鴻上:そんなろくでもない男だったの!?

鈴木:だからそもそもイニシャルはKJではなかったのですが、別れてからは、なんとかタトゥーを修正して、Kは死んだ母親のペンネームの「Kari」、Jは私の誕生日が7月13日なので「July」にしました。

鴻上:あはは。エッセイのネタとしてはすごく面白い。

鈴木:いかに恋愛において先見性がなかったかっていう。

鴻上:のめり込むタイプなんですね。俺なんか、どんなに恋愛しても、やがて終わりが来るんだからって必ず思ってましたけどね。

鈴木:若いころからですか?

鴻上:うん。高校のときに1個下の女の子と付き合ってたんだけど、ある日の放課後、図書室で待ち合わせをして、俺が先に部活が終わったから勉強しながら待ってたの。そしたら彼女が、早く俺に会いたくて4階の図書室まで階段を駆けあがってきて。ハーハー息を切らしている顔を見た瞬間、すごく悲しくなったんだよね。あ、この子は数ヵ月後には、ゆっくり階段を上がってくるようになるだろうな、それを見るのが自分は耐えられなくなるだろうな、と思って。

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