鈴木涼美さん(撮影/写真映像部・上田泰世)

恋愛弱者だけど、好き勝手答える

鈴木:私の場合、人の悩みや愚痴を聞くのが好きなんです。昔、女性誌のポッドキャストで恋愛相談を受けていたんですけど、こんな変な男と付き合ってるから聞いてくれよ!っていう相談がたくさん来るんですね。たとえば、「浅くて平たいおたまを買ってきたら、彼氏にちゃぶ台ひっくり返されたんですけど、どう思います?」みたいな。もう答えは「別れたほうがいいんじゃない?」しかないんだけど、そういう話って本当に面白い。人によって、疑問を持つポイントや、世界の生きづらさがちがうというか。私、今40歳で、結婚してないし、5年以上同じ人と付き合ったこともないし、たぶん恋愛弱者なので具体的なアドバイスを求められているわけではないんです。だからあえて自分のことは棚に上げて、好き勝手答えていました。

鴻上:でも、5年以上同じ人と付き合ったことがないっていうのは、自分に正直ってことでしょう。だって付き合って3年も経ったら、ドーパミンは出尽くして、ドキドキなんてしなくなるんだから。たまに、ドーパミンから、愛情ホルモンのオキシトシンに変えていけるカップルはいるけど……。

鈴木:そうやって、恋人から、家族とかパートナーとしての関係に変換できたことがないんです。

鴻上:変換できる人のほうが稀だと思いますね。

鈴木:でもみなさん結婚してるじゃないですか。

鴻上:我慢してるんですよ。だいたい夫婦間の基本的な感情は不機嫌ですから(笑)。

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