メルセデス・ランキングのトップ10にはいないが、この他にも今季は20歳の神谷そらが、日本女子プロ選手権など2勝し上の3人同様ブレイク。ドライビングディスタンスではトップとなっており、こちらも注目の存在だ。

 一方、今季元気がないのが稲見と西郷真央あたりだろう。

 オフにスイング改造した他、体調不良も重なり調子を落としていた今季の稲見は、開幕戦2位タイ、3試合目のTポイント×ENEOSゴルフトーナメント3位タイとまずまずの滑り出しだったが、5戦目からの9試合で予選落ち6回、棄権1回と低迷している。2020-21シーズンは9勝して賞金女王となり、2021年には東京五輪で銀メダル。昨年も2勝を挙げメルセデス・ランキング3位と強さをキープしていたが、今季は勝てない状況が続いているのだ。

 また、昨年5勝しメルセデス・ランキング2位となった西郷真央も、昨季の最終2戦で調子を崩し、今季は苦しいプレーを強いられている。メジャーなど海外の大会にも積極的に出場しているものの、国内では昨年のような輝きはなくここまで優勝はなし。それでも、最近はCAT Ladiesとミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで単独2位になるなど、復調の気配を見せているのは明るい話題だ。

 2人の今年のメルセデス・ランキングは稲見が22位で西郷が25位。長いキャリアを考えれば、たかだか1シーズン、しかもシーズン途中の段階で選手たちの浮沈を語るのは性急だろう。しかし、今回取り上げた岩井ツインズなど次から次に新スターが生まれているツアーの現状を見ると、それだけ女子ツアーの層は分厚く、そして新陳代謝も激しいということは間違いない。