千葉や東京Vは“J2沼”から抜け出せるか※画像はイメージ(ロイター/アフロ)

 かつてJ1の舞台で長く戦ったクラブがJ2降格後になかなか再昇格できない……。いつしか、その“ハマったら抜け出せない”という状況から「J2沼」という言葉が生まれ、恐れられるようになった。

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 現在、その「J2沼」に最も長くハマり続けているのが、かつてJの盟主とも言われた東京Vだ。2度目のJ2降格となった2009年から15年連続のJ2暮らしとなっている。その間、J2でも中位が定位置となっていたが、今季は違った。就任2年目を迎えた城福浩監督の下、強固な守備をベースに開幕7試合を5勝1分け1敗の好スタートを切り、第18節を終えた段階でも自動昇格圏内の2位にいた。

 夏場に少し失速したが、9月以降は2勝3分けと盛り返した。サイドからの切り込み役だったバスケス・バイロンを町田に“強奪”された一方、レンタルで獲得したFW染野唯月が最前線で機能し、中盤では結婚を発表したアカデミー育ちの司令塔MF森田晃樹が試合を組み立てた。勝ち切れずに悔しさが残る試合が多くあったのは確かだが、現時点で2位・磐田と勝点差3の4位。残り5試合、第40節には磐田との直接対決を控えており、まだまだ自動昇格圏内への再浮上は可能だ。

 その東京Vと同じくJ発足時の「オリジナル10」の一員である千葉も、今季で14年連続のJ2暮らしとなっている。その間、J1参入プレーオフに4度(2012~14年、17年)進んだが昇格することはできず。2018年からは14位、17位、14位と低迷、昨季も10位だった。そして小林慶行監督とともに新たなスタートを切った今季も調子が上がらず、開幕9試合を終えて1勝3分け5敗で22チーム中21位とJ3降格も囁かれるほど苦しんだ。

 しかし、チームが進む方向は間違っていなかった。キャンプ時から標榜していたハイプレス戦術によるアグレッシブなサッカースタイルが徐々に浸透。シーズン半分の第21節を終えた時点では、まだ勝点24の17位にいたが、7月の6試合で首位・町田に勝利するなど4勝1分け1敗の好成績を収める。そして8月19日の第31節から怒涛の7連勝を飾り、一気に昇格プレーオフ圏内の5位まで浮上した。2位とも勝点差5であり、現在の勢いならば自動昇格圏浮上も十分に期待できる状況になってきた。10月22日の第39節の東京V戦が、注目の一戦となる。

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