今年のプロ野球は鳴り物、声出し応援が4年ぶりに解禁され、ファンの熱気が戻ってきたシーズンだった。セ・リーグは阪神が18年ぶりのリーグ優勝を飾ったなか、2年連続最下位となったのが中日だ。特別応援許可団体の「中日ドラゴンズ応援団」で団長を務める天野浩智さん(33)がチームに寄せる期待、立浪和義監督に対する思いを明かしてくれた。
――応援団員として、中日の今年の戦いぶりをどう感じるでしょうか。
(下位に低迷している)現状は当然悔しいです。ただ、今年のドラゴンズは長年の課題であった世代交代の真っただ中です。チームは苦境に立たされていますが、試合を見続けると成長している姿を感じます。岡林勇希選手は球界を代表するリードオフマンに進化しようとしていますし、DeNAから現役ドラフトで移籍した細川成也選手、日本ハムからシーズン途中にトレードで加入した宇佐見真吾選手も貢献度が高い。石川昂弥選手も貴重な和製大砲としてレベルアップしている。ベテランの大島洋平選手はヒットメーカーとして長年活躍し、頼もしい存在です。投手陣で言えば、WBCに出場した高橋宏斗投手、セットアッパーとして頭角を現した松山晋也投手を筆頭に、個々の選手たちは確実に力をつけていると思います。
――低迷の要因として、深刻な得点力不足が挙げられています。
あと一歩だと思うんです。応援していても、好機をつくった時に「チャンステーマ」をトランペットで流す機会は多いのですが、得点が入った際に流す「燃えよドラゴンズ」までなかなかたどりつかない。選手たちが一生懸命に戦っていることは伝わってきます。我々はドラゴンズの選手たちがその底力を発揮できるよう、応援の力で外野スタンドから球場全体の雰囲気を変え、チームを後押ししようと一生懸命に活動するだけですね。