写真はイメージ(GettyImages)

 その要因として考えられていることの1つが、不妊治療を開始する「年齢」です。卵子は、加齢とともに数も質も低下していきます。つまり、年齢が高くなればなるほど、良質な卵子の数も少なくなっていれば、妊娠する能力も低下してしまいます。その結果として、高齢になればなるほど不妊の傾向が強まると同時に、体外受精の成功率も徐々に低くなってしまうというわけなのです。

 実際に、不妊治療を開始する平均年齢は、アメリカが約34歳であるのに対し、日本は約40歳というデータがあります。この年齢差は、日本における体外受精の成功率の低さに大きく影響している可能性があるというわけなのです。

 要因の2つ目として、他の欧米諸国と比較すると、性や妊娠する能力(妊孕性)に対する教育が不十分であることが考えられています。妊孕性に対する理解や知識が不十分であるがゆえに、高齢でも妊娠できると誤認されているのではないかという指摘もあるといいます。

今年で34歳になり思うこと

 今年で34歳となった私。「いつか子どもが欲しい……」そう思っていたものの、これまでパートナーに恵まれなかったという現実に加え、「不妊治療が必要なカラダだったらどうしよう」という漠然とした不安、さらには「キャリアを優先しなければならない」「成功している女性は、高齢出産が当たり前」(※5)「不妊治療でも子どもは産める」という上司の教えから、子どもを持った将来について、意識的に考えないようにしてしまっていました。

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34歳が直面する現実