ジャニーズ事務所は10月2日、故ジャニー喜多川氏の性加害をめぐる被害者への補償など会社の新たな運営方針について発表する。いったんは残すとした社名についても何かしらの対応があると見られている。こうした動きについて、「性加害問題当事者の会」(当事者の会)のメンバーたちはどう感じているのだろうか。
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「名前を変えることよりも、まずは被害者救済を早急にしてほしいということを主張しています。救済をどのようにするかということをどこまで具体性を持った形で提示できるのでしょうか」
当事者の会の石丸志門副代表(55)は、そう強調した。
「タッキー&翼」の東京ドームコンサートに、元ジャニーズJr.の一員として出演したという当事者の会のメンバーの中村一也さん(36)は、
「大企業のCM打ち切りも次々と続いています。もう社名変更をせざるを得ないところまできていると思います」
と話す。
今後の事務所のあり方については、新会社を設立してタレントを移動させ、これまでの「ジャニーズ事務所」は被害者救済のための会社として残すのがいい、といった話も出ている。
そうした話について石丸さんは、
「何十年も続いてきた会社が、組織をコロッと変え、人を入れ替えるだけで、体質が変わってスムーズに動くかというと、そんなに甘いものじゃないと思うんです」
との考えだ。
被害者に寄り添ってもくれない状態
ジャニーズ事務所は、元裁判官の弁護士3人でつくる「被害者救済委員会」を設置し、被害補償の受付窓口を設けたことも公式サイトで発表した。
この点についても石丸副代表はこう疑問を呈する。
「まず救済策を作ってから窓口を設けるのが普通の順序ではないでしょうか。被害者に寄り添ってもくれない状態で、権威ばかりがある方々の窓口に一体どれだけの人が相談するのでしょう」
前出の石丸副代表は、9月7日の記者会見以降、ジャニーズ側から連絡がこないといい、こう話した。
「8月に『こちらから会いたい』というメールをジャニーズ事務所の弁護士に送ると、『再発防止特別チームの判断がまだ出ていないのでお会いできません』という返事がメールできました。その後、9月4日に『要望書』をお送りしたところ、『ジュリー社長にこの要望書をお見せする』という返事が弁護士からきました。連絡はそれっきりです」