写真はイメージです(gettyimages)

 コロナ禍を経て、働き方が変わりつつある。副業を認める会社が増えているうえに、在宅ワークが浸透し、仕事のオンライン化が進んだことで、副業に挑戦しやすくなった。副業をめぐる今を紹介する。AERA 2023年10月2日号より。

【図表】青天井に稼げる副業がこちら

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 副業をする人は増えている。2022年度の副業者数は10年前から4割以上も増え、332万人となった(就業構造基本調査)。副業者数を年齢層別にみると、定年退職後に働く人が多いため、高齢者が2倍以上に増えた。一方で、若い年代にも副業が広がりつつある。

 第一生命経済研究所・主任エコノミストの星野卓也さんは、「20代後半~40代前半は10年前と比べて、副業をする人の割合が大きく増えています」と話す。コロナ禍で在宅ワーク、仕事のオンライン化が進み、副業しやすくなったためだと考えられるという。

「本業との相乗効果が副業にあれば、短い時間で成果を発揮できます。22年度の就業構造基本調査で、実際に若い世代に多い副業は、本業の経験を生かしてアドバイスするコンサルティング業、情報通信業です」

 ITコンサルタントの男性(35)は、2年前に副業をはじめ、衝撃を受けた。

「こんなに自分が必要とされるんだって思いました」

 新卒で入ったベンチャー企業から、大手企業に移った。ITコンサルタントとして働いたが仕事量が多いため、睡眠時間がとれず、心身が疲れ、別の大手に転職した。

「複業」で収入2倍

 コロナ禍で在宅ワークが多くなり、ミーティングもオンライン。「転職先は、前の会社に比べて過重労働がなく、うまく時間を作れる環境でした」

 あとの時間をどうするか。せっかくだからスキルを生かそうと、クライアントとワーカーが出会うネット上のプラットフォームに登録した。仕事の数をこなしていたら、次々と依頼が舞い込むようになった。

 年収は前職の1200万円から、転職後は1千万円にダウンした。だが、副業で1200万円を稼いでいる。本業と副業を合わせて、収入は2200万円。前職の2倍近いという。

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