ギフテッドと言うと、「才能」「個性」などのワードが想像されやすい。その一方で、広くみられる特性として、「激しさ」がある。以下、専門書より一節を引用したい。
「ギフティッド児や成人ギフテッドにほぼ普遍的にみられる特性は、激しさである。ある母親は次のように語った。『この子の人生のモットーは、すべきことは猛烈にすべし、感じることは強烈に感じるべしなんです!』このような子どもはあらゆることにつけて激しく、『過剰パーソナリティ』ではないかと思えてしまうほどである」(『ギフティッド その誤診と重複診断』より)
本が読みたい、外で遊びたくない、学校が嫌だと泣き叫び、怒り狂う娘……さまざまな困りごとが重なるうちに、両親はこゆきさんとの接し方がわからず、知能検査を受けさせることにした。
「最初に受けたのが未就学のとき。私はまだ小さかったので覚えてないのですが、母によると心理士さんは『お宅のお子さんは天才ですよ!』と言ったそうです。小2ぐらいで再び受けたときも『能力が高いお子さんです』というようなことが書いてあったと聞いています」
それらの結果を見て、両親は「この子は天才だ!」と喜んだ……わけではなかった。
「高知能だと聞いて、両親は『どうしよう……育て方がわからない』と思ったそうです。というのも、父母はどちらも『真面目で、努力家な優等生』タイプの人。だから、知能検査で高い数値が出ても鼻高々ということはなく、むしろ『どうやってこの子を”普通”に育てようか』という話になったそうです」