そして、3度目の退場は、楽天監督時代の16年5月17日のオリックス戦。2点を追う6回2死二塁で、藤田一也の遊ゴロを処理した安達了一の一塁送球がそれたことが物議を醸す。

 佐藤純一一塁塁審はアウトをコールしたが、梨田監督はファースト・モレルが倒れ込みながら捕球した際に「足がベースから離れた。一塁ベンチからだと、よくわかる」と抗議。5分を過ぎても譲らなかったため、遅延行為で退場処分を受けた。

 この結果、梨田監督は近鉄、日本ハム、楽天の3球団でいずれも退場を記録したことになり、藤本定義監督の4球団、星野仙一監督の3球団に次いで史上3人目の珍事を達成。ふだんは温厚な紳士が、退場7度の藤本監督や“闘将”星野監督と退場つながりでひと括りにされているのは、意外と言うしかない。

 温厚な紳士といえば、第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)で侍ジャパンを率いて3大会ぶりの世界一を達成した栗山英樹監督も、日本ハム時代に退場を経験している。

 13年5月25日の阪神戦、事件は1対0と勝利目前の9回に起きた。先頭打者・浅井良に対し、カウント2-1から守護神・武田久の内角球が懐をえぐったが、バットのグリップに当たり、ファウルになったようにも見えた。

 だが、白井一行球審は死球と判定した。直後、栗山監督が小走りでベンチを飛び出し、「あの場面で、痛がることがない死球などない」と同球審の顔に接触しそうなほどの剣幕で猛抗議。約2分後、暴言を理由に退場を宣告された。

 この退場劇が試合の流れを変え、日本ハムは痛恨の逆転サヨナラ負け。試合後、「バカ野郎、この野郎とは言っていない」と暴言を否定した栗山監督だったが、ややあって「(あれが死球なら)審判やめろ!とは言ったかな」と思い当たった。

 白井球審は昨年、ロッテ・佐々木朗希とのトラブルで一躍時の人になったのは、周知のとおりだが、その際にファンの間で栗山監督を退場にした9年前の話が蒸し返されたのは言うまでもない。

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物静かな選手が“微妙な判定”に激怒