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 香川県三豊市の公立幼稚園で、職員のミスでプールの水が86時間出しっぱなしとなり、水道代約55万円分の水が流失したが、市は職員に損害賠償を求めないとした。全国の自治体で、教職員らのミスによるプールの水流失に対し高額の賠償を求める事例が相次ぎ、そのたびに論議を呼んでいる。三豊市はなぜ賠償請求をしない判断に至ったのか。

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 三豊市教育委員会によると、市内の幼稚園でプールの水流失が発生したのは今年7月14日の午後4時半ごろから、18日の午前6時半ごろまでの86時間。

 概算で約2300立方メートル、水道代にして55万円分だったという。

 市は分限懲戒審査委員会を開き審査。

《公務員に故意または重大な過失があったときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する》と定めた国家賠償法の1条2項に基づいて検討したが、「故意ではない」「職員らによる小さなミスが重なったもので重大な過失ではない」との結論を委員会が出し、市教委に答申。これを受けて市教委は、訓告や口頭注意の処分を出したが、賠償請求はしない判断をした。

市民からは流失事案を公表した際に、「誰が支払うのか」という厳しい意見もあったという。賠償を求めない理由とした「重大な過失ではなく小さなミスが重なった」とはどういうことか。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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