「二階幹事長が記者会見をしますよね。その合間を縫うように、幹事長代行として萩生田氏も会見をするのです。二階氏と萩生田氏、微妙に内容が違ってくる。それに、このときの幹事長代理はある程度、二階氏の意向が反映されて選ばれたので二階シフトになった。萩生田氏は代理より上のポストなので、二階氏の動きをチェックでき、意見も言える。安倍元首相は二階氏、二階派との関係に腐心していたので、萩生田氏を幹事長代行としてお目付け役、情報収集役をさせていた」

 と安倍派の衆院議員は当時の内情を吐露する。

 岸田首相が今回、幹事長代理、政調会長代理として木原氏を送り込むということは、総裁選の候補になりうる茂木氏、萩生田氏に対する牽制(けんせい)という意味合いがあるのでは、とみられているのだ。

自民党本部で会見に臨む萩生田光一政調会長=2023年9月13日

警戒するのは萩生田氏

「岸田首相は官房長官の松野氏と政調会長の萩生田氏の入れ替えも模索していた。だが、萩生田氏の旧統一教会問題を国会で追及されると厳しいこともあり撤回した。松野氏と木原氏は官房長官と官房副長官で気心が知れている。警戒しなきゃいけないのは萩生田氏。それなら木原氏を政調会長代理も兼務させれば、となったようだ」

 岸田派の国会議員がそう話す。

 木原氏は官邸を出るとき、

「『岸田丸』、岸田政権で2年間、皆さんと一緒に仕事をしてまいりました。充実した、思い出の多い2年間でした」

 などとあいさつをし、ニコニコと笑顔で去っていったという。

「幹事長代理に政調会長代理という人事は『岸田特命』と言われている。岸田首相とっては、総裁選までのどこかのタイミングで解散・総選挙をして勝利し、総裁選は無投票で再選となるのがベストシナリオ。そのレールを木原氏が敷いていくということでしょう。木原氏は『文春の記者がいたら……』と大好きな酒席にも出ていなかったが、2つの党要職に就くとあってか、今はすっかりご機嫌のようだ」(前出・岸田派の国会議員)

 役職には関係なく、政治家として説明しなければならないことが木原氏にはまだあるのでは。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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