「まさに、岸田首相が総裁選を最優先し、派閥の意向をくんで、かつ有力者もきちんと処遇した。岸田派は安倍派の半分にも満たない党内第4派閥なのでバランスを重視した」

 こう話すのは、政治評論家の田村重信氏だ。自民党で長く政務調査役を担当し、岸田派(宏池会)の職員でもあった。

 田村氏は以前から木原氏については「政調会長代理で処遇するのでは」とAERA dot.の取材に語っていた。

「幹事長代理と政調会長代理、2つを兼務するなんて聞いたことがない。解散・総選挙となれば政策とカネですよ。幹事長代理はカネ、政調会長代理は政策の責任ある立場。木原氏は官房副長官として官邸を調整してきた。今度は選挙があるので、党の仕事をしてくれ、という岸田首相の思いが透けて見える。内閣の支持率次第では解散・総選挙は早くなる」

 と田村氏は話す。

期待した内閣支持率は期待ほど上がらず?

 だが、内閣改造、党役員人事直後の支持率は、共同通信は上がったが、読売新聞と日経新聞は横ばいだった。

「岸田首相は少しは上がっていると期待していたそうだが、この数字だとただちに解散という雰囲気ではないだろう」

 と自民党幹部が指摘する。

  2017年8月、安倍晋三首相(当時)が内閣改造、党役員人事に着手したとき、安倍首相は幹事長代理より上の「幹事長代行」というポジションに萩生田氏を送り込んだ。

 二階俊博幹事長(当時)が手腕をふるっている時期だった。

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「文春の記者がいたら……」