首相官邸で職員に向けて退任のあいさつをする木原誠二前官房副長官=2023年9月14日
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「第2次岸田再改造内閣」が9月13日に発足し、自民党の役員人事も固まった。岸田文雄首相の懐刀で「影の首相」とも呼ばれた前官房副長官の木原誠二氏の去就が注目されたが、岸田首相は木原氏を幹事長代理と政務調査会長代理を兼務させるようだ。当初は留任が有力視されていたが、妻の元夫の「不審死」についてや、私生活の問題などが週刊文春で何度も報じられ、自ら官邸を去った。

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「岸田首相は、G20サミットにも木原氏を同行させて、引き続き官邸で指揮をとってもらうつもりだった。それが、木原氏のほうから『身を引かせてほしい』と話があったので岸田首相はびっくりしていた」

 と官邸関係者が話す。

 そのとき岸田首相は、

「文春報道ももうやってこないだろうし、警察も事件ではないとしている。木原がいないと困るんだよ」

 とこぼしていたという。

総裁選を想定した人事

 官邸から去った木原氏は党務に戻り、自民党の幹事長代理に就任と伝えられた。その後、政調会長代理ではないかとも情報が流れて一時混乱したが、結局、幹事長代理と政調会長代理という2つを兼ねる異例の人事となったようだ。

 今回の内閣改造、党役員人事で際立ったのは、来年秋に予定されている自民党総裁選に、出馬の可能性が取りざたされているメンバーのほとんどを取り込んだことだ。

 前回総裁選で岸田首相に次いで2位の高市早苗・経済安全保障担当相、3位の河野太郎デジタル相は続投。次の総裁選出馬への意欲を見せる茂木敏充幹事長、安倍派「5人衆」の萩生田光一政調会長、松野博一官房長官、西村康稔・経済産業相もそれぞれ留任だった。

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選挙見据えた兼務か