しかもこの1億円、決してハッタリではない。生きたつちのこを捕まえた暁には、スポンサーの地元企業が費用を出しあい、発見者にきちんと支払われる。協賛を集めるにあたっての“口説き方”は、「夢の中で神様が授けてくれた」(丸山隊長)という。
「まず、捕まえたつちのこは、10億円で売ります。世界に1匹だけなんだから、パンダより高くて当然でしょう。で、1億円はスポンサーに返して、残った9億円は糸魚川市に寄付。企業としては、お金は回収できて、日本中に名前が知られて、地元に貢献した名誉まで残るんだから、悪い話ではないですよねって。この話を聞いた市長も、すごく喜んでいました」
では、つちのこ捕獲ミッションは、実際どのように進められているのか。
探検隊は年に一度、県外からも人を招く捜索イベントを開いており、18回目となる今年は、5月28日に約50人態勢で行われた。
例年、北海道や九州からも人が集まり、リピーターも多い。「つちのこ探しは最高のぜいたく」とまで話す参加者もいて、「大の大人がヘルメットをかぶってやぶをかきわけ、未知の生物を探すという“非日常”に、ロマンを感じるんでしょうね」と、丸山隊長。
イベントでは、網やさすまたなど思い思いの道具を手に、山の中を歩きまわる。鳥獣用のわなもこれまで何度も仕掛けたが、タヌキくらいしか捕まったことがない。
「捕獲方法は、この20年で特に進化はしてないねえ。昔からのオーソドックスなやり方ですわ」(丸山隊長)