つちのこ捕獲に向けて仕込んだ“エサ”。たまごロールにちくわ、さつま揚げ……。柿の種は、減塩仕様

 つちのこ捕獲における大きな壁は、その生態が謎に包まれていることだ。言い伝えでは、「するめや、女性の髪の毛を焼いたにおいが好き」とされているが、真偽は不明。丸山隊長は“下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる”方式で、ウインナー、生卵、カエル、パン、柿の種、さつま揚げ……と、さまざまなエサを試し続けている。

 探検隊の活動は、イベントだけではない。9月上旬には、つちのこがいるとされる山の登山道を整備したという。

「草刈り機を持って、片道5時間かけて山奥に入っていくんです。崖も登るし、『2万円もらってもやりたくない』って言われるくらいキツい作業ですよ。でも、日が暮れたらテントを張って、わいわいお酒を飲んで、野宿するんです。やっぱり結束のためには、飲まなきゃダメね。町の居酒屋で飲むのとはケタ違いの楽しさがあります」

 隊員の多くは70代。丸山隊長は「私120まで生きる予定だから、76歳なんてまだ青年ですわ」と強気だが、なぜ隊員一同、寄る年波にも負けず、全力でつちのこを探し続けるのか。隊長は愛をこめて、「みんなバカなんでしょうねえ」と笑う。

「私はすごく真面目な人間なんだけど、家族にはあきれられるし、地元の人にバカにされることもありました。でも、年をとっても“バカ”なことに本気になって、一緒に頑張る仲間までいる。そんな素晴らしいことってありますか? つちのこ探しは趣味でも遊びでもなく、我々の最後の夢。地域が元気になればいいなという思いもあって、みんなガチでやってますよ」

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隊員の葬儀で「つちのこサンバ」