時は大正時代。大正デモクラシーの喧騒の裏で、マスコミは、政府の失政を隠すように「…いずれは社会主義者か鮮人か、はたまた不逞の輩の仕業か」と世論を煽っている時代。
市民の不安と恐怖は高まっているなか、井浦新演じる教師の澤田と、田中麗奈演じる妻が故郷の千葉県・福田村に帰ってくる。
そして物語はもう一つのストーリーが動く。永山瑛太演じる沼部という男と薬売りの集団は、関東に向かうため四国を出発する。子供や妊婦も含めた家族のような集団。
そして9月1日関東大震災が起きる。大火災が発生してる多くの人々が命を失ったなか、勝手な噂が飛び交い、その噂は福田村にも伝わる。多くの人々は大混乱に陥った。福田村にも避難民から「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」との情報がもたらされ、疑心暗鬼に陥り、人々は恐怖に浮足立つ。
そんなときに、薬売りの行商達がこの村で……という物語。
映画のサイトを見ると。
福田村に住む自警団を含む100人以上の村人たちにより、利根川沿いで香川から訪れた薬売りの行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺された。行商団は、讃岐弁で話していたことで朝鮮人と疑われ殺害されたのだ。逮捕されたのは自警団員8人。逮捕者は実刑になったものの、大正天皇の死去に関連する恩赦ですぐに釈放された…。これが100年の間、歴史の闇に葬られていた「福田村事件」だ。
と書いてあります。これを映画にした。
とんでもない緊張感が続き、自分がまるで、そこでその事件を目撃しているような思いになり、ずっとずっと心臓を鷲掴みにされているような気持になる。
監督やスタッフはもちろん、出演している役者さんたちが素晴らしいし、この作品に出ることへの不安や恐怖もあるはずなのに、出演を決めた。そして命を削って演技している。
今回は自分の表現で間違った表現があるといけないので、映画の公式サイトから引用させていただいてる文章が多いのですが、とにかく伝えたい。
これは見なくてはならない。知らなくてはならない。これを見て、震えてほしい。
日本に住む者ならば。