現場検証が始まったときの京都アニメーション第1スタジオ(2019年7月19日)

青葉被告 関係ない、お前らが知っているだろう。

警官   自分で言え、お前には責任あるだろう、言え!

青葉被告 お前ら全部知っとるだろう。

*  *  *

 警官からの問いかけは続いたが、青葉被告は大やけどの影響で意識がなくなったようで、無言になった。

■作品を送っていない段階で「パクられた」と思い込み

 裁判で検察側が示した証拠によると、青葉被告は2009年ごろ、京アニの代表作「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」に感銘を受けてライトノベルを執筆するようになった。

 2016年秋には「ナカノトモミの事件簿」と「リアリスティックウエポン」という2つの小説を「10年かけて書いた金字塔」と評し、自信を持って「京都アニメーション大賞」に応募したが落選した。

 青葉被告が、警官とのやりとりで「小説をパクられた」などと繰り返していたのは、この小説のことだ。京アニのアニメで盗用されたというのだ。

 裁判ではこの点について、検察と弁護側の双方がアニメのワンシーンを法廷で上映するという異例の方法で検証した。

 盗用されたと主張するアニメは「ツルネ―風舞高校弓道部―」「Free!」「けいおん!」の3つ。

「ツルネ」は、男子高校生がスーパーマーケットで肉を見ている時に割引のシールが貼られているものを買ったシーン。

「けいおん!」では、主人公の女子高校生が後輩に「私、留年したよ」と話すシーン。

「Free!」は、舞台となっている高校の校舎にかかった垂れ幕がはためいている部分だ。

 青葉被告は、

「ツルネは(小説の)ネタ帳に書いてあったもの」

「けいおん!」では、「小説の冒頭に留年というシーンを書いていた」

「Free!」では、「自由な校風を表現していた垂れ幕がパクられた」

 などと説明した。

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盗用したと名指しする女性監督も一方的な思い込み