矢野さんは、悠仁さまが中学1年生のときに赤坂御用地の秋篠宮邸で初めて対面。稲の品種改良と遺伝子を学校の自由研究のテーマにしていた悠仁さまは、矢野さんから専門的な知識を学んだ。秋篠宮邸には庭の入り口や奥に水田がある。入り口近くの25平米ほどの水田を秋篠宮妃の紀子さまが、
「ここに水田を作ったのです」
と、矢野さんを案内したという。
皇位継承順位2位の悠仁さま
皇室は稲の栽培との関係が深い。天皇自らが田植えや稲刈りをする行事もあり、これは農業を推奨し、品種研究を目的として昭和初期に皇居で始まったものだ。
皇位継承順位2位の悠仁さまも小さな頃から、当時の天皇だった上皇さまと一緒に種まきや稲刈りに参加している。上皇さまも笑顔で、悠仁さまに稲の栽培について教えていた。
秋篠宮夫妻は、悠仁さまが幼い頃から平成の天皇陛下(上皇さま)と過ごす時間を意識的に作り、将来の天皇として、天皇のあるべき姿勢を学ばせてきた。
「どうすれば、硬くならない、おいしいもち米を作ることができるのか」
悠仁さまは、特にもち米や古い品種に興味を示し、さまざまな種類を手に入れて研究しているという。コロナ禍の時期にはオンラインで矢野さんの助言を受けながら勉強を続け、矢野さんも悠仁さまの成長を目の当たりにしてきた。
「中学2、3年の時期に悠仁さまが作成なさったリポートも拝読し、参考になりそうなデータを伝えるなど、研究への助言もしました。
中学1年生のときには、まだまだ稲の勉強を始めたばかり。私たち研究者への質問も当然、そこまで明瞭な内容ではありません。紀子さまが質問をサポートなさっていたこともありました」
しかし、回数を重ねるごとに悠仁さまから積極的に質問が出るようになり、質問のレベルも上がっていったという。